「東大寺の算数を解いてみた」シリーズ。
2023年度の大問4にチャレンジです。
受験生が苦手とする数の問題ですね。受験生だけじゃなくて、ボクもできればやりたくない(;^_^A
次の各問いに答えなさい。
⑴ 4けたの整数について,次の性質(P)を考えます。
性質 (P) 千の位の数を十の位の数,百の位の数を一の位の数とする2けたの整数で割り切れる。
例えば、
1900=19×100,1352=13×104
ですから,1900や1352は性質(P)を満たします。
性質(P)を満たす4けたの整数の中で2023以下のものは全部で何個ありますか。
なかなか面倒くさそうな問題です。
4けたの整数で2023以下なので、1000~2023なのですが、条件に合う数はどんな数、どんな仕組みの数なのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。(やみくもに当てはめても正解にたどり着くとは思えません。)
この4けたの数を仮に「ABCD]と表すことにします。
性質(P)を満たすということは、ABCD÷ABが割り切れるということ。
ABCD=AB×100+CDですから、
ABCD÷AB=(AB×100+CD)÷AB=AB×100÷AB+CD÷AB
AB×100÷ABは当然割り切れますから、後半の部分「CD÷AB」が割り切れたらいいということになります。
ABは10,11,12,…,18,19,20
CDは2ケタでそれぞれABの倍数なので、
AB=10のとき,CD=00,10,20,…90の10個
AB=11のとき,CD=00,11,22,…99の10個
AB=12のとき,CD=00,12,24,…96の9個
AB=13のとき,CD=00,13,26,…91の8個
AB=14のとき,CD=00,14,28,…98の8個
AB=15のとき,CD=00,15,30,…90の7個
AB=16のとき,CD=00,16,32,…96の7個
AB=17のとき,CD=00,17,34,…85の6個
AB=18のとき,CD=00,18,36,…90の6個
AB=19のとき,CD=00,19,38,…95の6個
AB=20のとき,CD=00,20(これ以上は2023を超えてしまいます。)…2個
以上から、答えは、10×2+9+8×2+7×2+6×3+2=79個
結局すべて調べ上げてしまいました。
⑵ 4けたの整数について,次の性質(Q)を考えます。
性質(Q) 百の位の数を十の位の数,十の位の数を一の位の数とする2けた以下の整数で割り切れる。
例えば、
6786=78×87,6076=7×868
ですから,6786や6076は性質(Q)を満たします。
これらの例のように,千の位と一の位がともに6であり,性質(Q)を満たすような4けたの整数は全部で何個ありますか。
求める整数を「6EF6」としましょう。
6EF6=EF×10+6006なので、
6EF6÷EFが割り切れるということは、6006がEFで割り切れるということですよね。
つまり、EFは6006の約数(1けたか2けた)です。
6006=2×3×7×11×13 (1001=7×11×13はよく出てきますよ)なので、
6006の1けたまたは2けたの約数は、書き出すのは大変だけど書き出すと
1,2,3,6,7,11,13,14,21,22,26,33,39,42,66,77,78,91
これだけあるので、答えは18個だ。
⑶ 4けたの整数について,次の性質(R)を考えます。
性質(R) 十の位の数を十の位の数,一の位の数を一の位の数とする2けた以下の整数で割り切れる。
最初に2けたの整数を1つ選んで,その整数の十の位の数を千の位の数に,一の位の数を百の位の数とする4けたの整数をつくります。そして,その中で性質(R)を満たすものが何個あるかを考えます。例えば,最初に20を選んだときは,
2025=25×81,2008=8×251
ですから,2025や2008は性質(R)を満たします。
ちょっと読んだだけでは意味が分かりません。
なので、再読(真剣に)、さらに再々読…
ようやく何となく分かったかも。
要するに、ここでは、性質(R)のことと、それとは別に作った数が性質(R)を満たすかどうかということの2つを「分かりづら~く」書き立てているのですね。(何と受験生泣かせな問題)
(i) 上の例のように最初に選んだ2けたの整数が20のときは,性質(R)を満たす4けたの整数を全部で何個つくることができますか。
4けたの整数を「20GH」とでもしましょう。
20GHがGHで割り切れたら、性質(R)を満たすということなんでしょう。
20GH=2000+GHなので、2000がGHで割り切れるということです。
つまり、GH(1けたか2けた)は2000の約数です。
2000=2×2×2×2×5×5×5なので、これも順にあげていくと
1,2,4,5,8,10,16,20,25,40,50,80の12個あります。
(ii) すべての2けたの整数に対して,性質(R)を満たす4けたの整数がそれぞれ全部で何個つくられるかを考えたとき,その個数は最も少なくて何個ですか。また,そのときに最初に選んだ2 けたの整数を求めなさい。
ある2ケタの数を「IJ」とすると、4けたの整数は「IJGH]となります。
これがGHで割り切れるということは、IJ×100がGHで割り切れるということです。
IJには10~99が入るので、1000~9900の中で、1けたまたは2けたの約数が最も少ないものを選ぶことになります。
100=2×2×5×5ですから、IJ×100には必ず、1けたか2けたの約数として1,2,4,5,10,20,25,50の8個が含まれています。
もしIJの素因数に5が含まれていても、この8個は変わりません。
ということは、IJ=5×5=25としたとき、求められた条件に合うと考えられます。
ですから答えは8個で、選ぶ数は25ということになります。
(iii) すべての2けたの整数に対して,性質(R)を満たす4けたの整数がそれぞれ全部で何個つくられるかを考えたとき,その個数が(ii)の答えより1個だけ多いような2けたの整数として考えられるものを小さい順に5個求めなさい。
次に考えられるのは、IJに入る数が2ケタの素数です。
しかも、11とか13のように2をかけたり5をかけたりしてまだ2ケタになるようなものは避けたい。
そこで、50以上の最小の素数がいいだろうということになります。(この場合、性質(R)を満たす4けたの整数は9個できるはずです。条件に合っていますよね。)
50以上の素数を小さい順に5個書けば、53,59,61,67,71となります。
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