「東大寺の算数を解いてみた」シリーズ。
2023年、平成5年の入試問題を解いていきましょう。
まずは大問1から。
次の各問いに答えなさい。
⑴ ある商品を140個仕入れ,仕入れ値の40%の利益を見込んで定価をつけました。そのうち100個を定価で売りましたが,残りを定価の何%か値下げして売ったところ,すべての商品を売ることができました。利益の合計が仕入れ値の合計の30%であったとすれば,定価の何%の値下げをしたのでしょうか。
典型的な商売の問題ですね。
これは普通にできないといけません。
【手順】
1 1個の原価を決める
2 低下を決める
3 仕入れ総額を求める(1個の原価×個数)
4 総売り上げを求める(「1個の売価×個数」の合計)
5 利益を求める(4-3で求められます)
6 利益の割合=値引額÷定価
以上が通常の手順です。ただこの問題では多少特殊な部分があるので、もう少し簡単にできますが…
1個の原価を《100》円とすると、仕入れ総額は《100》×140個=《14000》円。
1個の定価は《100》×1.4=《140》円なので、100個売ると、《140》×100=《14000》円の売り上げです。(ここで、仕入れ総額と売り上げが一致したので、あとは売った分がそのまま利益になる勘定です。)
利益の合計が仕入れ値の合計の30%でしたから、利益の合計は《14000》×0.3=《4200》円
40個売って《4200》円入ってきたので、1個の売り値は《4200》÷40=《105》円
《140》円の品物を《105》円で売ったので、《35》円の値引きです。
だから、値下げの割合は、《35》÷《140》×100=25%になります。
⑵ 1の位が7である10個の整数
7,17,27,37,47,57,67,77,87,97
から3個を選んで,その3個の整数の積を求めます。例えば,
7×7×27=1323, 7×17×27=3213, 7×17×17=2023,17×17×17=4913
です。ただし,上の例のように3個の整数の中に等しいものが何個あってもよいとします。求められる積(かけ算の答え)の中で9で割り切れるが27では割り切れないものは全部で何個ありますか。
7~97の10個の整数の中に、「×3」が入っているものを探しておきます。
・27=3×3×3 → 3が3個入っています。
・57=3×19 → 3が1個入っています。
・87=3×29 → 3が1個入っています。
また、9=3×3,27=3×3×3(上にも書きましたね)なので、
3個の積が「9で割り切れるが27では割り切れない」ということは、
◎積の中に3は2個必要だが、3個以上は入れない
ということです。
以上のことをもとに個数を数えていきましょう。
まず、27は使えませんから、今後一切除外です。
そして、57と87から2個は使わないといけません。
57×87×□ → □は27,57,87以外の7個入る
57×57×□ → □は27,57,87以外の7個入る
87×87×□ → □は27,57,87以外の7個入る
これですべてですから、答えは7×3=21個あるということが分かります。
⑶ 図のように,東西の道路と南北の道路がすべて等間隔に,格子状に並んでいます。道路と道路が交わる点を交差点といい,交差点において進行方向に向かって右に曲がることを右折,左に曲がることを左折といいます。

例えば,交差点Aから交差点Bまで上図のような方法で進んだとき,右折を1回,左折を2回したことになります。交差点Aから交差点Bまで,道のりが最も小さくなるように進む方法の中で,右折の回数と左折の回数が等しい方法は全部で何通りありますか。

➤右折と左折がそれぞれ1回の場合、下の図のようになる。

Aからア,イ,ウ,エのどれかに進み、そこで右折または左折する。
そのまま突き当りまで、ア→㋐,イ→㋑,ウ→㋒,エ→㋓と進んで、最後にBまで進む。
これで、右折1回,左折1回でAからBに到達するので、この場合は4通り。
➤右折と左折がそれぞれ2回の場合、下の図のようになる。

上の左図のように進むと、左折2回、右折2回となる。
ポイントは上右図の正方形abcdで、この正方形の4辺いずれかを選んで、その両端(上左図の場合は辺dc)で必ず右折か左折をすること。
正方形の辺の選び方は4通りなので、この場合は4通りとなる。
ですから、右折の回数と左折の回数が等しい方法は全部で8通りある。
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