東大寺2023年度算数 大問2

「東大寺の算数を解いてみた」シリーズ。
2023年度、大問2の食塩水の問題です。
さっそく取り組んでみましょう。

それぞれ一定の濃度の食塩水が出てくる3個のじゃ口A，B，Cを使って水そうに食塩水を入れます。 A， B，Cからはそれぞれ毎分100gの食塩水が出ます。水そうは十分に大きいので食塩水があふれることはありません。また，水そうに入っている食塩水はすぐによく混ざり合うものとして，次の問いに答えなさい。
⑴　はじめ，水そうには濃度2%の食塩水が200g入っていて，全てのじゃ口は閉まっていました。まず，Aを3分間だけ開けてから閉め，水そう内の食塩水の濃度を測定しました。ふたたび，Aを1 分間だけ開けてから閉め，水そう内の食塩水の濃度を測定したところ，さきほど測定したときよりも0.4%高くなっていました。Aから出てくる食塩水の濃度は何%ですか。

てんびんを上下2段に並べて比較すると簡単ですよね。

上がAを3分間注いだときの図で、下がさらに1分間注いだときの図。
上の[3]＋[2]＝[5]と、下の《2》＋《1》＝《3》は同じ大きさなので、これの大きさを最小公倍数の⑮にそろえた図が次の図です。

初めの濃さが◎%、あとの濃さが◉%で、その差①＝0.4%なので、
Aの濃さは2＋⑮＝2＋0.4×15＝8%と分かります。

⑵　⑴の後，AとBを同時に開け，2分後にBだけを閉めました。その後，水そう内の食塩水の濃度を複数回測定しても濃度が変わらなかったので，Aも閉めました。Bから出てくる食塩水の濃度は何%ですか。

AとBを同時に開け，2分後にBだけを閉めました。…ア
その後，水そう内の食塩水の濃度を複数回測定しても濃度が変わらなかった　…イ
イのとき、Aは開けたままなので、濃度が変わらないということは、
アのときの濃度は8%になっている、ということが分かります。
つまり
もともと入っていた2%の食塩水200gのところに、Bを200g入れたら、8%の濃さになったということなので、Bの濃さは、
8＋(8－2)＝14%
と分かります。

⑶　⑵の後，Cを4分間だけ開けてから閉め，水そう内の食塩水の濃度を測定すると3%高くなっていました。ふたたび，Cを4分間だけ開けてから閉め，水そう内の食塩水の濃度を測定するとさらに 2%高くなっていました。Cから出てくる食塩水の濃度は何%ですか。

正直、難しい問題だった(;^_^A
以下、力づくで答えは導いていますが、どうも今一つしっくりこない。
きっと、もっともっと優れた解き方を考えられる人もたくさんいるのでしょうね。
ま、とりあえずやってみます。

⑵まででできた、8%の食塩水の重さを《1》g、Cの食塩水の濃度を{1}%とします。
最初の4分間で、濃度が3%高くなったので、このときの濃度は11%。

上の図でモーメントの計算をする式を作ります。
《1》×3＝({1}－11)×400
→　《3》＝{400}－4400　…ア
その後4分間Cを追加で入れたので、図は次のようになります。

同じくモーメントを計算する式を作ります。
《1》×5＝({1}－13)×800
→　《5》＝{800}－10400　…イ
ア×5とイ×3をやってみましょう。
ア×5＝《15》＝{2000}－22000
イ×3＝《15》＝{2400}－31200
{2000}－22000＝{2400}－31200となるので、
{400}＝9200より、{1}＝9200÷400＝23で、Cの濃度は23%となります。

いやしかし、もっといい解き方があるのだろうな、とおもいつつこの項は終わることにします。

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